町医者の徒然草5 今でも忘れられませんが
あの日は3月11日金曜日でした。「業務も終わりあとは回診だけだ。あぁ~今週も終わったな~」と思いながら医局の席でしばし休んでいたところ2時46分。急に医局の地面が細かく低く震え、その後激しい縦揺れに見舞われました。はじめは強めのゆれだなっと思っていましたが、そのゆれが収まるどころかますますひどくなり、しまいには自分の体まで上下に持っていかれるほど強くなりました。あわてて机に下に身を隠しましたが前後およそ3分の揺れが終わりがないように感じられ「あぁ、死ぬんだな・・・」とおもいました。幸い何とか揺れが収まった時に取った行動はまず病棟に行くことでした。病棟では人工呼吸器管理をしている患者さんもいましたのでこの地震により機械の故障がないかが心配でした。医局の廊下に出たときにはガラスは割れており埃で先も見えない状態でしたが注意を払い、病棟に向かいました。案の定一般病棟ではパニックになった患者さんが数人いましたが命に別状はなく幸いにも集中治療室の管理に無支障はなかったためホッとしました。局地的な地震だと思っていたものが実は東北一帯を襲った悲劇的な天災であると知ったのはそれから2時間後でした。